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エニアグラムとマンダラ


Established in Oct. 2001

カーラチャクラKalachakura

ビッグバーン。仏教での世界創造は、突然虚空から一陣の風が吹き渡る。そして、風から火、火から水、水から地、地から須弥山と四つの州が形成され、須弥山世界が出来上がっていく。

最初に登場するのが「無色界」の衆生である。無色界の衆生は精神的の活動のみで身体を持たない。次に登場するのが肉体を持つ「色界」の衆生である。次に煩悩を持つ「欲界」の衆生が登場し、悪行を重ねていく中で、「地獄」「餓鬼」「畜生」「阿修羅」「人間」「天」の中で生きるものが、この六道を輪廻していく。須弥山世界の形成である。

須弥山世界は非常に長い周期で滅亡と誕生を繰り返す。世界の滅亡時は劫火に包まれ、須弥山世界とその中に住むものたちは全て消滅し、ただ虚空だけとなる。しかし、一部のものは涅槃に入り、または、他の世界に転生する。

このような、世界のありようが「カーラチャクラ」です。カーラ(時間)チャクラ(存在)は「時輪」と訳されています。あらゆるカーラ(時間)はチャクラ(存在)の中にあり、あらゆるちゃクラ(存在)はカーラ(時間)の中にある。本来、生きるものは全て仏性を有し誰でも仏となる可能性を持っている。
カーラチャクラはひらたく訳せば「至上の生命愛」といえるでしょう。

現在、カーラチャクラと仏教の発展の歴史はほとんどわかっていません。インド仏教滅亡直前にチベットに伝わり今に至っています。カーラチャクラはチベット仏教などに残されたものから過去を垣間見るだけです。

12世紀イスラム教の侵攻によってナーランダ、ブッダーガヤーも廃墟と化し、インド仏教はインドから消えていきました。ほとんどの仏教徒はネパール、チベットへ逃れ、インドに残った仏教徒はイスラムの迫害におびえていたといいます。

カーラチャクラは、このインド仏教滅亡当時、イスラム軍の侵攻に対し「カーラチャクラのもとに」という仏教諸宗派をまとめる役目があったようです。
シャンバラ伝説によると、シャンバラ国のスチャンドラ国王がシャカムニにカーラチャクラの教えを請い、シャカムニはスチャンドラ国王に灌頂を授け教義を伝えたと言われています。
もしかしたらシャカムニが登場する2500年前よりもっと昔からインドにあり、シャカムニはこれに自らの教義を肉付けし、それが後生に伝わっていったとも考えられます。
現在、灌頂が出来るのはダライラマだけである。

灌頂とは簡単に言えば、悟りを開くための修行の課程とも言えます。初心者の受ける七灌頂のあとには後灌頂、後後灌頂とあり、さらにタントラの修行があります。
初心者の受ける七灌頂は身体と心を清めるのを目的とします。人の心は生まれた環境(生まれた時代、場所、家庭、教育)などによりそれぞれの枠に固定されてしまっています。それぞれの先入観により、真実を見ることは出来ません。この曇った心を清めるのが七灌頂です。自分の本質を見出すというエニアグラムの性格分類との共通点があるかもしれません。

紀元前13世紀ごろ、アーリア人がインドに進出した頃形成されていったと思われるバラモン教、ウパニシャド哲学。一時期は仏教の台頭によって衰退したが、ヒンドゥー教へと発展していく。これらの宗教が互いに影響しあう中でカーラチャクラの宇宙観が形成されていったと考えられるます。
釈迦牟尼はアーリア人だとも言われています。

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・釈迦牟尼(しゃかむに) 梵語(Sakyamuni)  牟尼は聖者の意
仏教の開祖。インドのヒマラヤ南六麓のカピラ城の浄飯王(ジョウハンノウ)の子。母はマーヤー(摩耶・マヤ)。姓はゴータマ(瞿曇・クドン)、名はシッダールタ(悉達多)。生老病死の四苦を脱するために、29歳の時、宮殿を逃れて苦行、35歳と時、ブッダーガヤーの菩提樹の下で悟りを得た。その後、マガダ・コーサラなどで法を説き、80歳でクシナガラに入滅。その生没年代は、前566〜486年、前463〜383年など諸説がある。シャーキヤー・ムニ。釈尊。釈迦牟尼仏。(広辞苑)

・タントラ(tantora 梵)
@ヒンドゥー教のシヴァ神のシャクティ(性力)を崇拝するシャークタ派の文献の総称。
Aインドの後期密教の聖典。また、インド密教を総称してタントラ仏教という。(広辞苑)

・タントラ
密教は4つの段階に別れている。@所作タントラ A行タントラ Bヨーガタントラ C無常タントラ。 所作タントラは、呪文を唱え、儀礼を行なうことで、また行タントラとヨーガタントラでは、集中した暝想を行なうことによって呼吸や、体液の流れ、血液の循環をコントロールしている。しかし、もっと効果的な方法としては、無常ヨーガタントラ修行法がある

・バラモン教
仏教以前からあるインドの民族宗教。ヴェーダ聖典を権威とし、自然神を祭り祭式を重視した。宇宙の本体である梵天を中心とする。また、ヴァルナ制度を思想的に支えた。(広辞苑)

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・ナムチュワンデン
カーラチャクラを象徴する図に「ナムチュワンデン」という図があります。
梵字の「Ha(無色界)…青」「Ksha(色界・俗界)…緑」「Ma(須弥山)…黒赤白黄(青)の混色」「La(地)…黄」「Va(水)…白」「Ra(火)…赤」「Ya(風)…黒」の七つと、「ナーダ点」「空点」「荘厳点」を象徴しています。

チベットの五色の祈祷旗であるタルチョーもカーラチャクラの色の思想から来ているのでしょう。


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